小学生からはじめる
プログラミング
2022.09.30
ITの普及に伴い、小学校・中学校・高校でのプログラミング教育の必修化が始まりました。しかし実際に何月から始まって、どのような授業になるのかがよく分からないという親御さんも多いようです。ここでは小学校・中学校・高校におけるプログラミング教育の必修化の時期と、実際に実施されている授業内容について解説します。
小学校のプログラミング教育はすでに必修化されています。ただし実施される授業の内容は、各学校で異なります。小学生のプログラミング授業必修化の時期と内容を解説しましょう。
◆小学校のプログラミング教育の必修化の時期
小学校でのプログラミング教育は2020年から必修化されました。既にすべての小学校で2019年からの移行期間を挟み、2020年4月からプログラミング教育が実施されています。
公表されている新学習指導要領のなかには、「何年生で特定のカリキュラムを実施しなければならない」といった決まりは明記されていません。そのため、それぞれの学年における授業内容は各小学校で異なります。
◆小学校のプログラミング教育の内容
小学校でプログラミング教育が必修化されたといっても、プログラミングという科目が新設されるわけではありません。小学校でのプログラミング教育は、算数・社会・理科・音楽などの各科目の授業内に組み込まれる形で行われます。
また、小学校のプログラミング教育の目的は、難しいプログラミング言語を覚えたり書いたりすることではなく、「論理的思考力を身につけること」にあるということを知っておく必要があります。
小学校で実際に実施されているプログラミング教育では、以下の例が挙げられます。
・算数
ビジュアル言語を使用して、正多角形を作成する。
・社会
都道府県や住んでいる町の情報を、紙媒体ではなくプログラミングによって学習する。
・理科
プログラミングを通して、身近にある電気を活用した道具の性質について学ぶ。
・音楽
プログラミングソフトを使って、特定のパターン・リズムで音楽を作る。
では中学生のプログラミング授業はいつ始まってどのような授業になるのでしょうか。
◆中学校のプログラミング教育の必修化の時期
中学校におけるプログラミング教育は、2021年から新しい項目を追加する形で必修化されています。中学校では2012年時点での学習指導要領で、技術・家庭科のカリキュラムとして「プログラムによる計測・制御」という科目が必修化されていましたが、2021年からはより具体的な内容のプログラミング教育が実施されます。そのため、2021年の4月から、「技術」の授業などに組み込まれるケースが多いでしょう。
◆中学校のプログラミング教育の内容
小学校のプログラミング教育は論理的思考力を身につけることが主目的ですが、中学校でのプログラミング教育は実際的に「IT社会を生き抜く力を身につけること」が目的となります。そのため、小学校での授業よりも高度な内容を扱います。
中学校のプログラミング教育は、2021年まではソフトウェアを用いた一方向的な授業が多かったですが、現在の新学習指導要領からは「ネットワークを活用した双方向的なプログラミング教育」に重点がおかれるというのも大きなポイントです。
実施されるプログラミング教育の内容は新学習指導要領に沿ったものになりますが、小学校と同様に具体的な授業内容は各中学校で異なります。授業の例としては、以下が挙げられます。
・ネットワークを利用したメッセージのやり取りができるプログラムを使い、災害時の問題を解決する
・チャットを応用して学校・社会におけるさまざまな問題を解決する
・グループで動画データを活用・共用できるコンテンツを作成する
・AI(人工知能)の画像認識技術を通してプログラミングの知識を深める
高校生のプログラミング授業は、中学生よりも遅れて必修化となります。
◆高校のプログラミング教育の必修化の時期
高校のプログラミング教育は、2022年から必修化されます。2021年までは、高校の情報科において「情報の科学」という科目を選択すればプログラミングを学べるという形でした。科目選択で「情報の科学」を選ばなければ、高校の授業でプログラミングを学ばずに卒業する生徒も多かったのです。
そこで2022年からは、高校の情報科において必修科目の「情報Ⅰ」と選択科目の「情報Ⅱ」が追加されました。前者ではプログラミング言語・ネットワークの構築・データベースの基礎知識などを学習し、後者では情報Ⅰを基礎として情報システム・情報コンテンツ・データサイエンスなどを学びます。つまり、必ずどちらかの授業を取ることになるのです。
◆高校のプログラミング教育の内容
高校でのプログラミング教育では、実際にプログラミング(コード入力)の授業が開始されます。使用されるプログラミング言語は、ドリトル・HTML・CSS・JavaScript・C言語などです。
高校で行われるプログラミング教育の例として、以下が挙げられます。
・プログラミングでWEBサイトを作成
HTML・CSS・Rubyなどのプログラミング言語で作られているホームページの仕組みを理解し、実際にコードを入力してWEBサイトを作成する授業。近年はPythonなどのアプリ作成で使われるプログラム言語を用いた授業も実施されています。
・ゲームプログラムの作成
教育用プログラミング言語である「ドリトル」を使用して、簡単なゲームプログラムを作成する授業。ドリトルは日本語でコード入力ができるので、プログラミングの仕組みが理解しやすいのが特徴です。
小学校でも必修化されたプログラミング教育は、IT化が進む現代において非常に重要な意味を持つようになっています。お子さんのITスキルを伸ばすという点では、学校でのプログラミング学習だけでなくITスクールでの学習もプラスした教育が効果的です。
各ITスクールによってさまざまなコースが用意されているので、お子さんの年齢・能力に合ったコースを受講してみてはいかがでしょうか。