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エリクソンの発達段階とは?小中学生のやる気と自信を育てる3つのヒント

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子どもの「やる気が続かない」「自信がない」と感じることはありませんか?それは、単なる性格ではなく“発達のステージ”に関係しているかもしれません。

心理学者エリクソンが提唱した「発達段階理論」は、子どもの成長に応じた心理的課題を示す重要な考え方。このエリクソンの発達段階理論を理解することで「今のわが子に必要な関わり方」や「伸ばすべき力」が見えてきます。

この記事では、エリクソンの発達段階理論の中から、小中学生期にあたる「学童期」「青年期」に焦点を当て、親としてどう寄り添い、どんな学びが子どもの“自信”を育てるのかを、プログラミング教育の視点も交えてわかりやすく解説します。

エリクソンとは?

エリク・ホーンブルガー・エリクソンは、20世紀を代表する心理学者であり、彼の研究は特に発達心理学の領域で大きな影響を与え、アイデンティティの概念を深く掘り下げたことで知られています。

複雑な家庭環境だった幼少期

エリクソンは1902年、ドイツのフランクフルトで生まれました。父親の顔を知らず、継父とユダヤ系デンマーク人の母のもとで育ち、ユダヤ人としての差別と北欧系の外見による差別を経験しました。こうした背景が、彼のアイデンティティに関する研究に影響を与えたと言われています。

アンナ・フロイトと出会い精神分析家に

エリクソンは画家を目指していた時期もありましたが、その後ウィーンで教師として働く中でアンナ・フロイトの児童精神分析学に出会い、心理学の道を歩むこととなりました。エリクソンの理論はフロイトの精神分析学を基にしつつも、個人の社会的および文化的影響を強調したことが特徴です。

アメリカにわたり発達心理学者として活躍

エリクソンは、1930年代にナチス政権の台頭を避けるためにアメリカへと移住しました。問題行動を起こす青年たちの心理療法で成果をあげて注目されるようになります。発達心理学者として知られるようになったエリクソンは、心理社会的発達理論で8つの発達段階を提唱し、発達心理学の分野に大きな影響を与えました。

エリクソンが提唱した「8つの発達段階」

エリクソンは心理社会的発達理論の中で、人の一生を8つの発達段階に分け、それぞれの発達段階に「乗り越えるべき心理的な課題(発達課題)や困難(心理社会的危機)」があるとしました。彼は「人の成長は一生続く」と考え、発達を“心の成熟”として捉えた点が特徴です。

エリクソンの理論は、教育や子育て、臨床心理学においても広く応用され、個人が社会の中でどのように役割を見つけ、自己を実現していくかを探るための貴重な指針となっています。

たとえば、幼児前期(1歳半から3歳)には「自律性」、学童期(5〜13歳)には「勤勉性」、青年期(13歳から20歳)には「自我同一性(アイデンティティの獲得)」といった主要な発達課題があり、発達段階に応じて適切にサポートすることで、心理社会的危機を乗り越えて健全な成長を促すことができます。エリクソンが提唱した8つの発達段階ごとの課題を表にまとめました。

【年齢別一覧表】エリクソンが提唱した8つの発達段階

発達段階 年齢の目安 発達課題 VS 心理社会的危機 得られる力
乳児期 0〜1歳半 基本的信頼 vs 不信 希望
幼児前期 1歳半〜3歳 自律性 vs 恥・疑惑 意志
幼児後期 3〜5歳 主導性 vs 罪悪感 目的
学童期 5〜13歳 勤勉性 vs 劣等感 有能感
青年期 13〜20歳 自我同一性 vs 役割の混乱 忠誠
成人期 20〜40歳 親密性 vs 孤独
壮年期 40~64歳 生産性 vs 停滞 世話
老年期 65歳以降 統合性 vs 絶望 知恵

特に小学生〜中学生はエリクソンの発達段階における「学童期」「青年期」にあたります。この時期の経験が、将来の自己肯定感学ぶ意欲の土台をつくります。

学童期(5〜13歳)の発達課題と心理社会的危機

学童期(5〜13歳)の発達課題は「勤勉性」、心理社会的危機は「劣等感」です。青年期の発達段階に向けて様々なことに挑戦し、成功体験を積み重ねましょう。

小学生期に育つ「勤勉性」と「自己効力感」

小学生期は学校や習い事で“できる・できない”の差が目立ちはじめる時期です。この時期には、目標や課題に向けて粘り強く努力し、工夫を重ねながらやり遂げる勤勉性が育っていきます。この時の達成感や成功体験が、「やればできる」という有能感や自己肯定感が育ちます。

反対に、失敗を叱られたり比較されたりすると、「自分はダメだ」という劣等感が強まってしまいます。周りのお子さんとつい比べてしまい、我が子ができていない部分に目が行きがちですが、すべての経験を学びの一部として認め、「挑戦すること」そのものを褒める姿勢が大切です。

余談ですが、我が家では習い事のテストが終わったその日に、ご褒美のスイーツを子どもと一緒に買いに行くことにしています。テストの結果はまだ分からないものの、その日のために準備をして、緊張しながら「がんばった」ことに対して、お疲れさま!がんばったね!の気持ちを伝えたいからです。

お子さんがさまざまなことに挑戦を続ける中で、本当に好きなものに出会えると良いですね。好きなことや夢中になれることを見つけて、親御さんも一緒に楽しみながら応援しましょう。

親の関わり方のポイント

  • ●結果よりも「過程」を評価する(努力・工夫・粘り強さ)
  • ●「できなかったね」ではなく「次はどうすればいいかな?」と一緒に考える
  • ●小さな達成を積み重ね、成功体験を意識的に作る

プログラミング学習は、まさにこの“試行錯誤の積み重ね”を自然に体験できる学び。バグを直したり、自分のアイデアを形にしたりする過程で、自己効力感(自分ならできるという感覚)が育ちます。

青年期(13〜20歳)の発達課題と心理社会的危機

青年期(13〜20歳)の発達課題は「自我同一性(アイデンティティの確立)」、心理社会的危機は「役割の混乱」です。思春期とも呼ばれるこの発達段階では、保護者の理想や期待を押し付けすぎず、信頼して見守りましょう。

中学生期に育つ「自我同一性」と「自己肯定感」

中学生になると、「自分は何者か」「どう見られているか」を意識し始めます。この時期の発達課題は自我同一性(アイデンティティ)の確立。将来の夢や人間関係、価値観に迷うのは、成長の自然なプロセスです。

多様な経験を積みながら自分の意志で選択を重ね、アイデンティティが確立することで「忠誠」の力を得て、自分や社会に対して誠実に、自信を持って向き合えるようになります。

一方で、周囲が期待を押し付けすぎたり、迷いや葛藤の中で自信を失うと「役割の混乱」に陥ることがあります。

筆者の子どもはこの年代で思春期真っ只中。進路や友人関係などで自分自身について考える機会が増え、まさに自分らしさを求めて日々格闘しているようです。親としてどう接するのが良いのか、いま子どもに必要なサポートは何なのか、迷いながら過ごしています。

うまくいかないことや反抗も“子どもの自立に向けたステップ”と捉え、頭ごなしに否定せず、話を「聴く」ことを大切にしたいですね。

自立を支える親のサポート法

  • ●「こうしなさい」よりも「どう思う?」と問いかける
  • ●自分で決めて行動する経験を増やす
  • ●「あなたの考えを尊重している」という姿勢を伝える

プログラミングのような創造的な学びは、思春期の「自分の世界を持ちたい」という欲求を肯定的に活かせます。自分の考えを形にする過程が、自己肯定感と主体性を育むのです。

エリクソンの発達段階理論を子育てに活かす3つのヒント

エリクソンの発達段階理論を子育てに活かすための3つのヒントは「目標・課題設定」「成功体験」「挑戦できる心」

ここからは、エリクソンの発達段階理論を子育てに活かすための3つのヒントを紹介します。

① 年齢に合わせた目標設定をする

発達段階ごとに「子どもが求めていること」は違います。お子さんの年齢に応じた目標や課題を設定しましょう。学童期(小学生)は失敗を恐れず挑戦し、達成感を積み重ねること、青年期(中学生)は自分の意見が尊重されることが大切です。

② 「できた!」体験を積み重ねる

子どもが成長する過程で、成功体験は自己肯定感を高めます。幼児期前期から学童期の発達段階に合わせ、勉強だけでなく、工作・プログラミング・スポーツ・音楽など、得意なことを見つける環境を意識しましょう。

③ 失敗を恐れずチャレンジする環境をつくる

「失敗してもいい」と思える雰囲気が、挑戦心と成長を促します。大人が“結果より過程を評価する姿勢”を見せることが、子どもの挑戦意欲を後押しします。

プログラミング教育が子どもの発達を支える理由

プログラミングは「論理的思考」と「創造性」を育むのにおすすめ

プログラミング教育は、子どもの発達において重要なスキルや、心理的資質を育成するのにおすすめです。

論理的思考と創造性の両立

プログラミングは“正解がひとつではない”学びです。遊びのように自由に考え、試し、形にする中で、論理的思考力と創造性が同時に育ちます。

成功体験の積み重ねが“勤勉性”を伸ばす

自分の作った作品が動いた瞬間の喜びは、まさに「やればできる!」という実感そのもの。エリクソンが学童期の発達課題とする「勤勉性」を育てるのにおすすめです。

まとめ|発達段階を知ることで、子どもの“今”に寄り添う

エリクソンの発達段階理論を理解すると、子どもの発達課題に対応した関わり方が見えて、子どもの「できない」「反抗的」と見える行動にも、その時期特有の理由があることがわかります。

発達段階に合った関わり方を意識することで、子どもは安心してチャレンジでき、成功体験を積み重ねることによって、自律性や学びの喜びを感じられるようになります。

そして、その“自分で考えて動く力”を育む場として、プログラミング学習はとても効果的です。親子で一緒に成長を楽しみながら、子どもの「今」を大切にしていきましょう。

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この記事の監修者

スタープログラミングスクール コラム編集部

私たちは、これからのAI時代を生きる子ども達には「自分で考えるチカラ」が必要と考え、プログラミング教育を通してその力を養うお手伝いをしています。講師、教材開発、広報など様々な担当者で構成されたコラム編集部が、現場での感覚や実例も交えて、子育て中の方に役立つ情報を分かりやすくお伝えしていきます。

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