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全国1,000句超の川柳が映す子どもたちの成長の瞬間——「夏休み」と「10」が開いた心の地図

昨年度に続き、私たちのスクール「パソコン市民講座」「スタープログラミングスクール」「スターAI・情報塾」を受講する学生会員(以下、スタプレ生と表記)を対象に、『スタプレ川柳コンテスト』を開催しました。

スタプレ川柳コンテストは、受講生専用Webサイト『スタプレ(Study&Playの略)』上で7月22日(火)から8月31日(日)にかけて行われ、たくさんのすばらしい川柳が寄せられました。

この記事では、今年度の応募傾向、結果発表に加え、応募作品から映しだされた、子どもたちの感性と成長の姿を「学年・題・そして作品に込められた気持ち」という3つの視点から深掘りし、ご紹介します。

結果発表

お題は『夏休み』と『10』

今年の1つ目のお題は、昨年と同じ「夏休み」
季節ならではのリアルな日常が現れやすいテーマです。そして、2つ目のお題は、今年で開講10周年を迎えるスタープログラミングスクールを記念した「10」
「夏休み」に比べ、抽象的で、想像力の発揮が求められるテーマでした。昨年度は1つのお題につき、3句までに対し、今年度は1句のみの応募を受け付けました。

コンテストに関わってくださった先生

今年度も、子どもたちならではの発想、視点、表現の光る1,138句もの応募作品のなかから、審査員の芳賀先生による厳正な審査が行われました。

芳賀博子先生 審査総括コメント

「夏休み」の題では、夏休みならではの楽しい体験や発見はもちろん、暑さや宿題にうんざりする本音ものびのびと表現されているのが、いいなあ、すばらしいなあと感じ入りました。「10」はちょっと手ごわい題かも?という選者の予想に反して、「なんと!」「こうきたか!」とみなさんの発想にびっくりの連続でした。今回も超厳選となりましたが、応募されたすべての作品、すべてのチャレンジがうれしく、選びながらたくさんのパワーをいただきました。

この記事では、審査の結果選ばれた栄えある入選作品のなかから、子どもたちのコメントもいただいたものを紹介します。

最優秀賞『夏休み』

【奈良県 エコール・マミ教室】kaoriさん(小学3年生)

kaoriさん川柳作品のイラスト

審査員のコメント

朝顔を大切に育てている様子がうかがえます。朝起きたら、まっ先に水をあげて、「おはよう」なんて声もかけたりして。そんなやさしさを受けとめて、今朝も美しい花をいくつも咲かせてくれた朝顔。すがすがしい情景が浮かび、心がうるおいました。

kaoriさん作品を手にご家族と一緒

日頃から表現するのが上手で、言葉を選びながら話をしてくれるやさしいkaoriさん。おばあちゃんにイラストを印刷して渡したら、お部屋に飾ってくれているそう。ご家族の喜びが伝わる、ほほえましいエピソードですね!

kaoriさんのコメント

一年生の時に植えた朝顔が今も家にある。大好きでかわいい朝顔と、自分が好きな水浴び「朝顔」「水」この二つの言葉を合体させて川柳を考えました。たくさんの応募の中から一等賞が取れて感動した!お父さん、お母さんから「kaori、すごいね~!」と何回も言ってもらえました。たくさんほめてもらえて嬉しかったです。

優秀賞『夏休み』

【東京都 神保町駅前教室】ケイTさん(中学3年生)

ケイTさん川柳作品のイラスト

審査員のコメント

「いつまで寝てるの!」「宿題もうやった?」小うるさいお母さんがオニに見えてくる「夏休みあるある」が、ユーモラスな川柳になりました。作者の気持ちにうなずきつつも、夏休み中、愛ある角を振り立ててずっと大忙しの「母」も応援したくなる句です。

ケイTさん作品と一緒に神保町駅前教室で

いつも、まじめに・素直に受講しているケイTさん。今、頑張っていることは、タイピングとワード。映像授業や教室の先生のアドバイスも分かりやすく、嬉しいとのこと。

ケイTさんのコメント

優秀賞ありがとうございます。僕の生活のようなイラストで驚きました。僕から見たら母は夏休みの敵です。今はテストが悪くても怒られています。夏休みは、友達と過ごすのはとても楽しかったけれど、家ではお母さんと喧嘩ばかりで最悪。スマホを触っていたり、部活から帰ってきて疲れて寝ていたりしても、「さて、今から勉強しよう!」と、気持ちを切りかえようとしたタイミングで、『勉強しなさい!!』と怒られたりした。そんなことばかり。そういったことを、川柳にまとめました。

【愛知県 バロー豊橋教室】ほしゅさん(小学4年生)

ほしゅさん川柳作品のイラスト

審査員のコメント

今年の夏は記録的猛暑でした。おこづかいで買いたいものはいっぱいあったのに、まずアイス、とにかくアイスの毎日。でも自分で買ったどのアイスも最高においしかったことでしょう。元気もたちまちチャージされて、暑さもたくましく乗り切りましたね。

ほしゅさん作品と一緒にバロー豊橋教室で

ほしゅ さんのコメント

はじめて賞をもらったから嬉しかったです。作品は夏だからアイスを食べていて思いつきました。

佳作『夏休み』

夏休み すぐものなくす きをつけろ (アル・プラザ近江八幡教室 はると さん)

友達と アイス分け合う 夏祭り (ダイエー東大島教室 さく さん)

かわのなか 魚の声が すずしそう (イトーヨーカドー船橋教室 りか さん)

セミの声 机に向かうと スズムシも (イオンモール津田沼教室 アル さん)

夏休み 外出るだけで 大試練 (イオン吹田教室 たこやきぼうず さん)

最優秀賞『10』

【東京都 中野マルイ教室】軍艦ねぎまぐろくん さん(小学4年生)

軍艦ねぎまぐろくん さん川柳作品のイラスト

審査員のコメント

おしまいの「十万点」に、あっと驚きました。十点満点の十万点とは、まったく予想もしない、あり得ない点数なのに、一瞬でナットクです。胸をはって十万点といえるくらい、すごくがんばった。そのがんばりと、この発想に百万点です。

軍艦ねぎまぐろくん さん川柳作品イラストを手に中野マルイ教室で

タイピングで目標ができ、取得したい段に向け、ふだんから頑張っている軍艦ねぎまぐろくん さん。プログラミングもゲーム感覚で楽しいとのこと。

軍艦ねぎまぐろくん さんのコメント

川柳コンテストは何にしようかな、どういう言葉を使おうかな?など考えるのがむずかしかったけど、楽しかったです。最優秀賞をとったと教えてもらった時、ビックリしたけどうれしかったです。家族や先生たちにおめでとうと言われ、うれしかったです。

軍艦ねぎまぐろくん さんの保護者様のコメント

先生から最優秀賞をとりました!と電話をいただいた時、とてもびっくりしました。川柳に合わせたイラストも可愛く額に入れて飾っております。何かに選ばれるという機会がないため、とても貴重な経験をさせていただいたと思います。ありがとうございます。教室にも楽しく通えている理由は、先生方の手厚いサポートのおかげです。

優秀賞『10』

【兵庫県 伊丹駅前教室】にゃんこさん(小学5年生)

にゃんこさん川柳作品イラスト

審査員のコメント

水泳教室で進級して、いよいよ最難関ともいわれるバタフライに挑戦中。今回でもう十回目でも、決してあきらめたり投げ出したりしないのがカッコいいです。「絶対合格」の漢字四文字に、今度こその気合いと緊張が伝わってきます。大丈夫、今度こそ。

にゃんこさん川柳作品イラストを手に伊丹駅前教室で

あきらめず、何度も粘り強くチャレンジする頑張り屋のにゃんこ さん。お母さんもとても喜んでくれたとのこと。

にゃんこ さんのコメント

入選すると思っていなかったのでびっくりしました。10回目で絶対合格したかったけど、結局10回目で合格できず、11回目で合格できた!

【大阪府 イオン吹田教室】はるソン さん(小学4年生)

はるソン さん川柳作品イラスト

大人たちがゴクゴク、プハーッとビールを飲むとき、みんなとっても幸せそう。いったいどんな味がするんだろう、と興味しんしんなんですね。句の向こうには、いろんなワクワクやドキドキに満ちた未来が広がっています。作者の10年後に乾杯!

はるソン さん川柳作品イラストを手にイオン吹田教室で

はるソン さんのコメント

選ばれると思っていなかったので、聞いた時は最初びっくりして、すごくうれしかったです。お父さんとお母さんと弟もいっしょに喜んでくれました。

佳作『10』

十月の 新人戦を がんばろう (伊丹駅前教室 こうたろう さん)

10歳は 人生初の 2桁だ (バロー豊橋教室 そそ さん)

毎月の 十日はなぜか いつも肉 (遠鉄百貨店教室 けんしん さん)

10年も 住んでる家が なんか狭い (まるひろ上尾SC教室 ゆう さん)

アイパッド 没収されて まだ10日 (神保町駅前教室 ケイT さん)

応募の傾向

今年度は、765名のスタプレ生から合計1,138句の応募をいただきました。
小学生・中学生・高校生の3つの学齢層がコンテストに参加 いただきました。

応募の全体傾向

応募は小学生が全体の中心で、特に小4〜小6が最多層となりました。
中学生になると応募数は緩やかに減りますが、一定数の参加が継続。
高校生は少人数ながらも応募が見られ、幅広い学年から作品が寄せられました。

今年度応募者の学年分布グラフ
図:今年度応募者の学年分布

こちらは昨年度と共通のお題「夏休み」の応募者の学年分布を比較した図です。
昨年度は小学生高学年が中心でしたが、今年度は小3や中学年の応募も増え、応募層が
昨年度より明確に広がりました。これは、川柳コンテストが学年段階を超え、「表現の場」として定着し始め、コンテストの成熟を示した結果といえます。

お題「夏休み」応募者の学年分布(昨年度との比較)グラフ
図:お題「夏休み」応募者の学年分布(昨年度との比較)

応募のタイプ別にみると、両方のお題に応募したスタプレ生が最も多く、全体の約半数を占めました。「複数のお題に挑戦する」 姿勢が今年度の特徴であり、特に抽象的なお題である「10」への創作意欲の高まりが数値として可視化されました。

お題応募タイプ別 応募者数(片方・両方)グラフ
図:お題応募タイプ別 応募者数(片方・両方)

子どもたちの感性と成長の姿(お題別)

【深掘り分析】学年が上がるほど「内省」が増加!

応募作品に使われた単語について、テキストマイニング調査を実施しました。このうち、昨年度の記事でも使用したワードクラウドというものは、文字の大きさが大きいものほど単語の出現回数が多いことを示します。加えて、本年度は、作品を「喜び」「怒り」「悲しみ」「驚き」「不安」「内省」 の6感情に分類し、学齢別の感情傾向を可視化しました。その結果、学年が上がるほど感情的な表現よりも「思考の深さ」が強まり、小学生 → 中学生 → 高校生 と自分自身を振り返る視点(内省)の割合が増加する成長の過程が明確に浮かび上がりました。ここでは、調査の結果、代表的なものを3つ紹介します。なお、本分析の結果の解釈や論旨の明確化にあたっては、プログラミング言語Pythonや生成AIツールを執筆支援として一部活用しています。

川柳によく使われていた単語と感情傾向

①小学生 × 夏休み

「花火」「海」「旅行」「宿題」など、生活の体験と言葉の素直さが際立ちます。「喜び」が全体の約1割を構成しており、夏休みの体験を振り返りながら、素直な楽しさも表現していることが特徴的です。そして、注目なのは「内省(振り返り)の高さ」です。小学生でも、日々の出来事を言葉にしながら「こうだったな」「また行きたいな」と素直に振り返る力が育っていることがうかがえます。

小学生作品を象徴するキーワード一覧群
小学生作品を象徴するキーワード一覧(夏休み)
小学生作品の感情構成比の図
小学生作品の感情構成比(夏休み)

②中学生 × 夏休み

「課題」「部活」「大変」「夜」など、努力や生活リズムのリアルが反映されています。楽しさと忙しさのバランスを取る心情が見えます。とはいえ、「喜び」もしっかり存在しているため、「楽しみたい気持ち」と「やるべきこと」の間で揺れ動く、思春期らしい複雑な夏の感情構造 が現れています。

中学生作品を象徴するキーワード一覧群
中学生作品を象徴するキーワード一覧(夏休み)
中学生作品の感情構成比の図
中学生作品の感情構成比(夏休み)

③高校生 × 10

「自分」「願い」「誕生」など、自己や未来への意識が強いのが特徴です。抽象的テーマを「節目」や「自分のストーリー」として扱う傾向にあります。高校生はすべてが「内省」で占められ、「10」をテーマに、記念日・節目・将来への思索が深まる構造が際立っています。

高校生作品を象徴するキーワード一覧群
高校生作品を象徴するキーワード一覧(10)
高校生作品の感情構成比の図
高校生作品の感情構成比(10)

 
各図使用フォント: ipaexg.ttf(IPAexゴシック)
※提供 一般社団法人 文字情報技術促進協議会

子どもたちの感性と成長の姿(作品の表現タイプ)

【成長の構造】「見たもの」から「考えたこと」へ!

応募作品を「情景・感情・ユーモア・内省」の4つの表現タイプに分類したところ、学年ごとの言葉の使い方に明確な違いが見られました。

①小学生:情景描写が中心

もっとも多かったのは 「情景をそのまま描く表現」。「海に行った」「宿題が終わらない」など、目の前の出来事をストレートに切り取る わかりやすく明るい表現が多くみられました。

②中学生:情景+感情の「二層構造」へ

中学生になると、「暑い」「つらい」「眠い」といった自身の気持ちを表す語が増え、情景と心情が重なる より複雑な表現が登場します。部活動・課題・人間関係など、日常の中でがんばる姿が作品から読み取れるのが特徴です。

③高校生:内省が最多で、思想性の高い表現へ

高校生では、内省タイプがもっとも多くなりました。特に「10」という抽象的なお題において、未来への深い考えや自己理解を促し、経験や価値観を短い言葉で表現する作品が目立ちます。情景よりも、「自分がどう考えたか」「この先どう生きていくか」 を描く方向へシフトしています。

学年が上がるにつれ、川柳は「見たもの → 感じたこと → 考えたこと」と、表現の重心が移り変わっていました。短い言葉だからこそ、子どもたちの 思考の深まりや自己理解の変化 がそのまま浮かび上がる結果となりました。小学生の「情景」から高校生の「内省」へ、表現の進化が17音に凝縮されています。

まとめ

総括

2025年度のスタプレ川柳コンテストでは、応募者層が広がり、「夏休み」と「10」 という異なる性質を持つ2つのお題が、子どもたちの表現を多様な方向へ広げるきっかけとなりました。

学年ごとの作品傾向をみると、小学生は「体験や情景の切り取り」、中学生は「努力や葛藤など日常のリアル」、高校生は「自己や未来への内省(振り返り)」といったように、成長段階に応じた表現の違いが非常に明瞭に表れました。

テキストマイニングによる感情分析では、全学年で「内省」が最多となり、川柳という形式が 「自分の生活や気持ちを振り返る行為」 を強く促すことがわかりました。特に高校生は「10」という抽象的なお題を通じて、節目や自己理解に関する語が多く出現し、作品に込められた考えがより深まり、メッセージ性が強まったことが特徴的です。

表現タイプの分析からも、小学生 → 中学生 → 高校生と進むにつれ、作品が 「見たもの」 から 「考えたこと」へと変化していく 構造が明確に可視化されました。この変化は、語彙の増加や言葉や思考の能力の発達だけでなく、成長とともに言葉や思考が深まる中で「川柳が子どもたちの自己表現ツールとして成熟していく過程」を示していると考えられます。

また、昨年度と比較すると、今年度は「宿題」「課題」「部活」といった日常の忙しさと、季節行事や家族時間の楽しさのあいだで揺れながら生活を送っているリアルな姿が浮かび上がりました。

本コンテストを通じ、子どもたちの確かな感性と、成長の喜びが17音という短い言葉の中に多様なかたちで表れていることを改めて感じました。来年度も引き続き、川柳を通じて子どもたちの「今」という貴重な時間を見つめ、その言葉に温かく耳を傾ける機会を提供してまいります。

今後もスタプレで子どもたちを笑顔に

受講生専用Webサイト『スタプレ』では、教室での学びの復習、マウス操作などのパソコン基礎スキル習得につながるゲーム、スタプレ生限定のイベント活動(スタ活)への参加などができます。私たちのスクールのプログラミング、ICTの学びを自宅などでいつでもどこでも行うことが可能です。

今後も、プログラミング、ICTの学びとともに「川柳」をはじめとした自己表現・創作活動の場をスタプレ上でたくさん提供していきたいと思っています。
いろんな学びに触れることで子どもたちには新たなワクワクや得意を見つけてもらいたいです。子どもたちの笑顔をたくさんふやしていけるよう私たちのスクールは努めてまいります。

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この記事の監修者

スタープログラミングスクール コラム編集部

私たちは、これからのAI時代を生きる子ども達には「自分で考えるチカラ」が必要と考え、プログラミング教育を通してその力を養うお手伝いをしています。講師、教材開発、広報など様々な担当者で構成されたコラム編集部が、現場での感覚や実例も交えて、子育て中の方に役立つ情報を分かりやすくお伝えしていきます。

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